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ドキュメンタリー映画 『台湾人生』 - 解けない数学
※ お待ちかね、ドキュメンタリー映画『台湾人生』の報告です。

「台湾人生」のチラシ http://www.taiwan-jinsei.com/


 初日はどうしても都合がつかず、2日目(6/28)の日曜日に友人と二人で行って来ました。この友人は、筆者とは違って「台湾」と聞いてもいつもさしたる反応はなかったので、誘いに乗ったこと自体にびっくりでした。誘ってみるもんだ。(笑)

 もちろん前もって、日本語世代の方々を追ったドキュメンタリー映画であるということは伝えましたが。殺人的多忙な人だから、即答で断られると思っていたんですよ。たびたび台湾の話を聞かせていたことが効を奏したのかな?

 会場の『ポレポレ東中野』は、以前住んでいたマンションから歩いて1分足らずのところにあり、10数年ぶりの懐かしさでした。よく通った「定食屋」が無くなっており、なかなか開通しなかった大江戸線の駅が出現し、東中野には不似合いな高層マンションがそびえ立っておりました。

 そういえば・・と、よく飲んだ帰りに立ち寄った、台湾人夫婦の美味しい餃子の店も消えていた。これはホントに残念。注文してから目の前で餃子をささっと包み焼いてくれるのです。カウンター5席ほどの狭い店で、赤いタレの味が絶品だった。「台湾からタレが届いたよ~」と、あの笑顔に会いたかったなー。


ポレポレ東中野


 上映の40分ほど前に到着、わらわらと人が吸い込まれてゆくのを見て、なんだかみんな知り合いのような気がしたのは筆者だけかな。まさか閑古鳥が鳴いてやしないかと一瞬でも心配した自分を哂い、早速地下のシアターへ向かった。そんなことよりチケットがあるかが心配になったのだ。

 あー、こんな話より本題ですね。実は、この映画、強烈だったのですよ。これがドキュメンタリーの凄みなんだなと、いまだに筆者の脳裏で何かが渦を巻いてます。それで、考えがまとまらず、なかなかブログに掲載できなかったのです。

 鑑賞中は、ストーリーのある映画でもなし、面白さを感じる場面もたいしてあるわけじゃなく、ただただ、台湾なまりの聞き取りにくい日本語を追うのがやっとだったのです。生活背景の全く違う5人の“日本語世代”の人生の断片が或る時系列で行ったり来たり、時には交差するように語られる。

 彼らの溢れんばかりの胸の内を聞いて、聞いて、一方的に聞いているうちに、映画が終わる。でも、これは単なる映画ではないのです。これはフィクションではなく、ファクト。ドキュメンタリー映画は、実は観終わった瞬間から始まるのですね。

 会場を出た私達は、そのまま別れる気になれず、とりあえず食事を兼ねて喫茶店に入った。奇妙に疲れた気持ちを静めたかったし、何かを納得したかったのだと思う。そこで友人に感想を尋ねてみた。

 友人は、あまりよく分からなかったと言い。途中すこし居眠りをしたのに涙も出たと不思議がっていた。

 筆者は、これが友人の正直な感想だと思った。語りの半分くらいは聞き取りにくく、歴史的背景をよく知らないと理解し辛く、よほどの興味がなくては中だるみするのも致し方がないと。でも、涙が出たんだな。筆者は全く出なかったけれど。筆者は必死で聞き取ろうとしたこともあったが、或る違和感もあったからで。ただし、噛み砕くにまだまだ時間が欲しかった。頭の中をぐるぐると、色んな思いがめぐっていた。



 5人の表情から伝わることは、「自分達の気持ちを日本と日本人に伝えたかった」という必死な思い。それは、懐かしさであったり、恨みであったり、疑問であったりと、どうにもまとまりがつかない思いだ。

 過去の日本への感謝の気持ちと、敗戦と同時に理不尽に「捨てられた」戸惑いと悔しさが、それぞれの人生にくっきりと残る記憶と絡んで、絡みこんで、考えれば考えるほどにもつれ込んで、それがどうにも「解けない数学」のようで苦しいのだ。

 筆者はね、観ている間ずーっと思っていたことが「戦争には絶対に勝たなきゃならない」ってことだったんですよ。終わったことですから、もうどうにもなりませんがね。

 どうにもならないが、せめてあの戦争をきっちり総括することですよね。日本はまだ、しっかりと向き合っていないし、どこか他人事のように済ませてしまっている。そのせいで、日本は鬱病のようになっているのだと思う。

 最近になっても原爆症をめぐっての訴訟がありましたね。なぜか原爆症についてはタブーのようで、64年を過ぎてもゴタゴタするのです。原爆症でなくとも、癌で亡くなる人は多いというのにです。また、原爆を落としたのは日本ではなく米国であるというのにです。日本は病んでいるとしか言いようがない。

 未だ病んだままの日本だからこそ、あの元台湾系日本人たちに何も言えないし、何もしてあげられないのだと思うのです。“解けない数学”は、日本の病が生んだ状況であると言える。

 ドキュメンタリー映画『台湾人生』を推奨します。かつての同胞である彼らの人生は、我々日本人の片割れだ。



上映後、観客に囲まれる酒井充子監督
☆上映前にスタッフに写真撮影の許可をお願いした、なんとその人が監督であったのです。ペコリ。



  
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テーマ:ドキュメンタリー映画DVD - ジャンル:映画

【2009/06/30 08:13】 | 【映画・記録映像・動画】 | トラックバック(1) | コメント(1)
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【2012/10/31 12:36】 | #[ 編集]
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しゃばだば近代国史帖


日本の近現代史の中から、主に感動エピソードを拾い集めてみたい。ゆっくりゆっくりですが。個人的には備忘録(メモ)のつもりです。

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Author:娑婆妥場
この道を、どんな日本人が歩いていたんだろうと、ついつい想いを巡らせてしまう今日この頃です。
いろんな感動エピソードに出会ったけれど、記憶力が悪く片っ端から薄れてしまうので、思い切ってブログに挑戦することにしましたとさ。

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