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“サヨンの鐘”
 文字:愛国乙女サヨン遭難之地 
  ※左写真の文字:『愛国乙女サヨン遭難之地』
 
 今回は、台湾の日本統治時代。

 1938(昭和13)年、東北部宜蘭県の山奥にあるタイヤル族のリヨヘン社(村)で、学校の教師を勤めていた日本人警官と当時17歳の少女サヨンの悲しくも美しいお話。
 その話を知った台湾総督から集落へ、後にサヨンの篤行(とっこう)を称える鐘が贈られた。

 渡辺はま子が歌う「サヨンの鐘」が台湾中に流行し、1943(昭和18)年には、同名の映画(主演:李香蘭)も封切られた。
 この話には諸説あり、ここでは台湾在住のフリーライターでカメラマンの片倉佳史氏のレポートを紹介します。


□ “サヨンの鐘”  (文章:片倉佳史)
http://my.so-net.net.tw/katakura/kyodo/0105.html
《台湾と日本---少女の秘話歌い継ぐ》

 台湾の東北部・宜蘭県に武塔という集落を訪ねた。ここはタイヤル族の人々が住む村で、戦前の愛国美談「サヨンの鐘」の舞台に近い。

 時は1938年。この土地に赴任していた日本人巡査のもとに召集令状が届いた。当時十七歳の少女サヨン・ハヨンは自ら巡査の荷物運びを申し出て、暴風雨の中を同行した。しかし、激流と化した南澳渓の橋の上で不運にも足を踏み外してしまう。

 後になって台湾総督から集落へ、サヨンの篤行をたたえる鐘が贈られた。

 この話は植民地・台湾の人々の“皇民化”を示す格好の宣伝材料となっていった。古賀政男作曲・西条八十作詞で渡辺はま子の歌う「サヨンの鐘」が流行し、四三年には同名の映画も封切られた。ちなみにこの映画の主演は李香蘭。こうして「愛国乙女」と位置づけられたサヨンの名は一気に知れ渡っていった。

 集落のはずれには当時の石碑が残っていた。この石碑は戦後、台湾における日本色の払拭をもくろんだ国民党政権によって倒されたが、破壊だけは免れた。現在は再び道路の脇に立てられており、傍らには中国語で書かれた真新しい石碑まで設けられている。

 石碑をカメラに収めていると、畑仕事帰りらしい老婦人に日本語で声をかけられた。この一帯の人々はタイヤル語と日本語を併用していることが少なくない。集落内を散策していても、流暢な日本語で声をかけられることは珍しくなかった。

 老婦人によれば、サヨンの物語は今でも語り継がれ、この集落の人間なら誰でもその歌を歌うことができるのだそうだ。後に小学校を訪ねたところ、「サヨンの鐘」は郷土唱歌として、中国語に訳した上で音楽教材にもなっているという。

 「愛国乙女」と称された、はかない少女の物語。その物悲しいメロディーは、今もこの土地で歌い継がれている。




       『サヨンの鐘』      (おそらく)タイヤル族の男性による歌が聴けます

  作詞:西条八十
  作曲:古賀政男
  歌 :渡辺はま子

  (一)

  嵐吹きまく 峰ふもと
  流れ危うき 丸木橋
  渡るは誰ぞ 麗(うるわ)し乙女 
  紅き くちびる ああ サヨン

  (二)

  晴れの戦いに 出てたまう
  雄々しき師の君 懐かしや
  坦う荷物に 歌さえほがら
  雨は降る降る ああサヨン

  (三)

  散るや嵐に 花ひとえ
  消えて哀しき 水けむり
  蕃社の森に 小鳥は鳴けど
  何故に帰らぬ ああサヨン

  (四)

  清き乙女の 真心を
  誰か涙に 偲ばざる
  南の島のたそがれ 深く
  鐘は鳴る鳴る ああサヨン







 映画『サヨンの鐘』主演・李香蘭









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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2007/04/24 11:56】 | 【台湾】 | トラックバック(0) | コメント(0)
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日本の近現代史の中から、主に感動エピソードを拾い集めてみたい。ゆっくりゆっくりですが。個人的には備忘録(メモ)のつもりです。

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この道を、どんな日本人が歩いていたんだろうと、ついつい想いを巡らせてしまう今日この頃です。
いろんな感動エピソードに出会ったけれど、記憶力が悪く片っ端から薄れてしまうので、思い切ってブログに挑戦することにしましたとさ。

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