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チベットへの弾圧はこれからが本番
チベット国旗 ※ 更新のための時間が取れない間に中国においてチベット人への武力弾圧という大きな報道がありました。北京オリンピックを控えてチベットの件だけではなくウイグル、法輪功と、これまでにもきな臭い事件が頻発してはもみ消されということを繰り返しておりましたので、おそらく誰もが危惧していたことではないかと思っています。

 皆様周知のとおり中国で起きていることはなかなか情報として伝わってきません。しかし、中国政府の発表から窺い知ることはできます。早い話がほとんど間逆に解釈すれば事実に近づくというか。全く乱暴な話ですが、少なくとも筆者はそう理解しておりまして。そして時を経てそれがやはり正解であったことを確認する、ということを繰り返しております。

 先日3月27日に東京都港区・友愛会館大会議室で行われた公開討論会「チベット問題と北京オリンピック」で、基調講演をされたペマ・ギャルポさんのお話をご紹介いたします。



ペマ・ギャルポ氏 □ペマ・ギャルポ氏 基調講演
 
 みなさんこんばんは。えー、これから約30分、短い、そして長い時間を頂きたいと思います。えー、もちろんそのチベットのことを理解してもらい、そして問題の根本まで話すには30分(では)あまりにも短いですけれども、しかしまあ今日いらっしゃっている方々は、大体チベットに関心を持っておられる方々ですので、特に私の方からは2~3、今あのー、中国の宣伝によって洗脳されている日本の、いくつかそのチベット問題についての勘違いしている部分について指摘をして、そしてまあ話を終わりにしたいと思いますけれども・・。

 その前に、あのー、黄文雄先生。台湾の独立(運動)をずーっとやってこられて、そういう意味で私の大先輩であり、そして日頃からご尊敬申し上げております黄文雄先生に心から敬意を表したいと思っております。

 それから、西村眞吾先生、今みえましたけれども。アジアにおいて、本当にアジアの民族主義、自由と独立のために、常に胸を張って主張してこられた西村先生にも、心から敬意を表したいと思います。

 それからあの、水島さんはじめ、今日、このような場を設けてくださったことに対して心から感謝申し上げるとともに、あの、しゃべる人がいても聞いてくださる方がおられなければどうにもなりませんので、忙しい中来て下さった皆さんにも心から感謝申し上げます。

 えーそれでは今日の話、さっそく今日の話に入りますけれども、今日のテーマはもちろんチベットです。しかし、そのチベットは、残念ながら現実的には現在中華人民共和国という国の一部になっております。これは、嫌でもですね、物理的に支配していることは事実であります。そしてその中華人民共和国という国のいわゆる地図を広げて頂きたいんですけれども、頭の中で地図を想像して下さい。

 皆さんがその地図を想像なさると、ナニナニ族自治区、ナニナニ族自治州、ナニナニ族自治県というのがあります。で、ナニナニ族自治県・自治州というのはどういうことを意味しているかというと、それはいわゆる中国以外の領土だということを意味しております。あえて中国以外の領土に対して「自治」という言葉がついていますけれども、しかしその内容は、本当の自治か。

 自治がないから「自治」がついているような部分が、今の自治区であります。あるいは自治州、自治県であります。

 で、その、あの、最近私は、ある日本の女性からメールを頂きました。で、この女性は、チベットの独立を支持している。チベットを支持している。だけど。「チベットは独立したらやっていけるんでしょうか」ということが質問だったんです。で、私が申し上げたことは、

 「いやチベットが独立したら中国がやっていけるかってことが心配しなければならないことだ」と。

 なぜならば、チベット・ウイグル・満洲・そして内モンゴル、さらにはいわゆる朝鮮族の自治州って・・(聞き取れず)・・書いてます。で、そういうとこをですね、全部足したらどのぐらいかというと、現在の中華人民共和国の63%です。

 日本の皆さんは、「中国は大きい、中国は大きい」と言いますけれども、中国はどこも大きくないんです。中国は、今の940万平方キロメートルの中において、約500万平方キロメートルは他民族の領土を非合法的に支配しているってこと。であります。で、その中において、チベットは、230万(平方キロメートル)、これは250万(平方キロメートル)ってのもあります。あー、これは正確に測量したものではありません。あの、昔は大体大雑把に山と川でやりました。西洋人のように線を引いて国境を決めたわけではないです。

 ですからチベットが大体現在のいわゆる中華人民共和国の4分の1を占めている。ということです。で、あのー、まず、それを理解して頂ければ、中国が困るかチベットが困るかと・・。それから、最近チベットが、例えば日本の政治家とか学者の中でもですね、チベットの宗主権が中国になったというような言葉を使う人がいます。

 で、宗主権とかそういうことはですね、もともと宗主権ってのは1907年に、ロシアと英国が英露協商を結んだとき初めて文字として現れるんです。「Suzerainty」って言葉。しかし、その「Suzerainty」は、当時の英国(のインド)総督カーゾン自身が、英国の議会で、「あれは都合上発明した言葉である」ってことを書いてます。それはなぜかというと、アヘン戦争の後に、中国が弱くなって、英国はロシアが南下することを恐がって、ロシアからチベット(侵略の可能性)を排除したい、ってことで、あえてあのような言葉を選びました。ですから、この「Suzerainty」、宗主権ってことも、言葉そのものが英国が発明した。

 それから最近、日本のマスコミは、チベットの今回の、私たちでいう「決起」あるいは「抗議活動」が、チベット以外の領域、四川・甘粛などに波及してるってことを、マスコミで報道されております。しかし、私自身が生まれたのが現在四川省に併合されております。

 私が生まれたとき、もちろん生まれたときは私は覚えておりませんけれども、私が物心ついたときには、私の村に来ていた中国人は、私の村の「金」を掘りに来ました。しかしその人たちは、私の父(藩主)から許可をもらって「金」を掘っていたんです。

 少なくとも「宗主権」って言葉は、ある意味でのお互いの、まあ表敬訪問みたいなのがあったかもしれない。そういうことが時代によって、皆さんも日本国内においても戦国時代はどういうふうに支配していたか。

 その、今の、いわゆる中国大陸、シナ大陸においては、時代によってお互いに力関係で肩書きをもらって後ろ盾してもらったりすることがあったことがないとは言えないです。チベットが中国に傀儡政権を作ったこともあれば、もちろん中国がチベットに影響を及ぼそうとする・・(聞き取れず)・・に合いました。それからお坊さんに、たとえば尊敬の気持ちを持って檀家とお寺の関係において、お互いに称号を与えたりしました。

 しかし事実上、チベットを支配したという記録はないと思います。もしあったら、どの中国人がチベットを支配したかということを、名前を出してもらいたいんです。学者にも。あるいは、何年から何年まで具体的にチベットを支配したかというと・・、ないんです。で、何よりも日本人に分かりやすいのが、この国旗を見てください。

 この国旗は(ダライ・ラマ)13世の時に作りました。で、しかし最初チベットは軍旗で「唐獅子と山」を使ってましたけれども、この旭日のマークみたいなのを作ったのは青木文教(ぶんきょう)先生、日本人の提案で出来たんです。それから、時たまあのー、昨日私は自民党の本部で、えー話に行きました。その前に民主党からですね、外務省の人を呼んで、「いったいいつから日本政府はチベットが中国の一部であることを認めているか」ということを、あのー、文書で出すように言ってあるってことだったんですけども、返事がどうだったか分かりません。

 ただ、今日ここでしゃべるために私はあの、中国人が書いたある本を読みました。彼はコロンビア大学のたしか先生だった方です。その方が・・、アメリカの議会が日本から没収していた史料の中から、こういう面白いものがあります。

 1932年9月28日日付けの上海の総領事のK・内田っていう人・・あー、笹井っていう人から日本の外務大臣の内田っていう方に対する手紙の中で、1921年から日本の軍部はチベットと接触をしていたと。そして「この度、下記の武器をチベット側に、その一部として送りました」と。その中には、大砲4丁、機関銃8丁、鉄砲1500丁、砲弾1000個?っていうんですかね、それからあの、玉10000個、手りゅう弾1000個。

 まあこれは、少ないっていえば少ないです。多いっていえば多いです。だけどそれはどういう意味するかっていうと、少なくとも日本は、当時、しかもこの中で「チベット政府」っていう「Government」という言葉を使ってるんです。電報の中に。で、あの先の戦争において、中国と、中華民国・・あの国民党も共産党も、日本と戦いました。で、そのことで今でも日本に謝れとかしょっちゅう言ってるわけですけれども。

 中国人といっしょにチベット人がいて殺されている人はおりません。もしチベットが中国の一部であれば当然、自国を守るために兵隊として駆り出されるはずなんです。現に、中国とベトナムが戦争しました、小平のもとで。そのときにはたくさんのチベット人が駆り出されました。

 したがって、あのー、日本人を殺しておりません。それどころか、チベットの軍隊、(ダライ・ラマ)13世の元でチベットの軍隊を再組織しました。そのチベットの軍隊の軍事顧問は矢島保治郎先生でありました。矢島保治郎先生は、チベット人と結婚をし、そしてその矢島保治郎先生の息子のノブオ(意志信)さんが、日本人の軍人として太平洋で命を奪われました。

 日本のために、チベット人の(血の)半分の人が犠牲になったけれども、中国のためにチベット人が日本と戦ってないんです。このことだけでも、日本人は・・・。チベットに対する中国の・・・、国家として存在したかたちの上における・・・、いきなり1950年・・・、中華人民共和国が1949年に成立してすぐチベットに侵略したってことは、一目瞭然だと思います。

 外務省は民主党に対してどのような返事を出すか、私は非常に楽しみにしております。で、この文献以外にも、日本から、アメリカが没収した当時の記録がまだたくさんあるんです。そういうことはまたいずれ報告したいと思います。

 それで、今日はこの会場に、あのー、中国の民主化の方とか、あるいはウイグルの方とか、あるいは満洲の方とか、残念ながら今日はモンゴルからは来ていないようですけれども、・・方々がみえています。

 ダライ・ラマ法王は、たくさんのチベット人がどういう気持ちかということはともかくとして、独立は求めない、中国で高度な自治を要求する、とおっしゃっています。で私は正直申し上げて、今の状況においては高度な自治は・・。もちろん法王の意思には従います。法王の方針を支持します。

 しかし、今の中国の制度の元においては、高度の自治などは幻想だと私は思います。だから今日ここに来ている兄弟たちに対して言いたいことは、中国政府は「民族自決」っていうとすぐ恐がるんです。民族自決はいっしょにくっつくこともあるし離れることもあるでしょう。

 大事なことは、隣の人が、女の子が綺麗だからといって、強姦して無理やり奥さんにすることは、けして幸せだとは思いません。もし、結婚しようと思ったら、お互いに愛し合えるような環境をつくることです。

 そのためには、今の中華人民共和国という国の体制そのものが変わらなければ、私はだめだと思います。で、したがって、今回の・・、今回の3月10日をきっかけとして世界中の注目を浴びました。今回、3月10日にチベットで何が起きたか。何が起きるだろうか、ということは、中国当局もチベットの人たちも、国際社会も、予測はできたはずであります。

 なぜならば、1959年3月10日チベットで決起がありました。で何故決起があったかというと、先ほど申し上げましたように、ダライ・ラマ法王は、中国が1950年、いきなり武力侵略をして、そしてその後に「17条の条約」を押し付け、印鑑まで偽造しました。それでも法王は1954年、北京に行き、毛沢東と会い、周恩来と会い、劉少奇と会い、そしてチベットに対しては、これもまた皆さん時間があったら「17条の条約」の内容をご覧になって頂きたいんですけれども、チベット軍を徐々、徐々に中国に編入させると。しかし、内政に関しては一切干渉しないってことをハッキリ書いてるんです。それすら守らなかった。

 それだけではなくて、1956年ごろから、東チベットから徐々、徐々、(中国が)本性を現しはじめました。そのためにチベット各地で、単発的に抗議、あるいは抵抗がありました。中には、中国の当局の本部に招かれて、二度と帰さない・・。今まだあの、世界で最年少・・、ま今はもう最年少じゃなくなりましたけれども、パンチェン・ラマの生まれ代わりが11歳で・・・、・・・11歳の子どもが国家を転覆すること・・何にもやってないんです。彼の罪といえば、パンチェン・ラマとして生まれ代わったってことです。

 その11歳の子どもも、いまだに拉致・監禁されてますけれども。そういう意味では、今の北朝鮮の拉致に関してもですね、たぶん中国共産党の方が先輩であり先生であると思います。で、そのチベットの高官が、中国の本部へ行くと帰ってこなかった人がいっぱいいるんです。

 で中国政府のチベット駐留軍の司令官は、3月10日ダライ・ラマ法王に、彼らの本部に、護衛なしで来るようにと言ってきたんです。これを聞いた民衆が、命がけで、法王の中国の本部へ行くことを阻止し、立ち上がったんです。これが3月10日の、あの、北京側でいう何でしょう「暴動」、私たちでいう「決起」であります。

 で、それ以来、49年間、3月10日にチベット国内外において、何らかの抗議行動をずーっと継続してきました。ただ今年はどう違うかというと、3つか4つ、それに、こう付け加えることができると思います。

 一つは昨年の10月、アメリカの議会がアメリカの最高の名誉を、ダライ・ラマ法王に贈りました。黄金勲章。でそのことを、チベット国内において、お坊さんたちがお祝いしようとしたときに逮捕されたんです。いまだに釈放されておりません。でそのお坊さんたちの釈放を要求するってことは、今年は今までと違うところです。

 2番目に・・。北京オリンピックを開催するにあたって、本来オリンピックは神聖な平和の行事であるはずなんです。しかし中国政府は、それを政治利用して、ヒマラヤの聖地を通るように聖火ランナーを走らせ、そしてオリンピックのマスコット5匹の動物の中に2匹、チベットカモシカとパンダを利用することによって、チベットが中国の一部であるということを世界に印象付け、そして認めさせようとする魂胆がみえみえとなりました。

 ですから、あの、皆さんの親族などにももしかしたらオリンピックの選手がいるかも知れません。4年間一生懸命がんばったのに、何かもしかしたらチベット人が反対してダメになるかと思ってる人がいるかも知れませんけれども。チベット人が反対しているのはオリンピックではなくて、オリンピックの政治利用です。中華人民共和国がそれを政治利用しようとしている。それに対する不満、であります。

 それから3番目には、チベットを軍事的に侵略し政治的に侵略してチベットを6つの行政区に分け・・。今さきほど申し上げました、雲南・甘粛・青海、あるいは四川省、(それと)もちろんチベット自治区です。そして1967年ごろからは共産党支部もできました。さらに、チベットの文化も破壊しました。

 私自身、ダライ・ラマ法王の代表団の一員として第二段の調査団として行きました。7700以上あったお寺の中でたった8箇所だけ形だけ辛うじて残っていました。それ以外はぜーんぶ破壊されてました。そういう文化的な侵略・破壊、そして最後に、いわゆる青海鉄道の完成とともに、中国によるチベットのさらなる同化政策、民族浄化政策を促進するために、大量の中国の人たちが入ってきました。そして経済を、今度は牛耳りはじめました。

 中華人民共和国という国は、もしかしたら、いわゆるチベット自治区とかチベットと名のついてるところのために「予算」を組んでいるかもしれません。しかしその「予算」は、そこに住んでいる人たちのために使っているのではなくて、自分たちの植民地支配するための軍を維持するために・・。たとえば、どこの国でも道路ができることは発展です。そして、電車が走ることも発展です。しかしその電車が、そこに住んでいる人たちにとって、幸せをもたらすのか不幸をもたらすのかってことが問題なんです。

 皆さん、NHKの番組などをご覧になっているでしょうけれども、わずかに残っている最後のチベットの人たちの家の中に、何世代も大事にしてきた仏像とかチベットの骨董品を、札束で顔を、ほっぺたを叩くようなかたちで、買って持ってってます。

 そして、私が言うまでもなく、今日ここにいらっしゃってる民主(化運動)陣営の方々、あるいはその、いわゆる今の北京政府の元で生活をした経験のある各民族の方々が、証言して下さると思いますけれども。今、チベットにおいて、あるいはその他のいわゆる少数民族がいるところにおいて、本来法律的には、そこの民族よりも多くならないという約束だった。

 しかし現状はどうでしょうか。中国では、党の幹部学校を卒業すると、卒業証書を渡されると同時に辞令が渡されるんです。今までは、その辞令を渡されると、最後に・・あのー、これはその幹部自身が本で書いてますけれども・・。

 夕方になってみんなで乾杯して卒業をお祝いしたときに、「チベットへ行け」「ウイグルへ行け」と言われた人たちは、「なんでオレがチベットかー!」と泣き出してそのうち怒るらしいです。暴れるらしいです。それはなぜかというと、彼らからすると、やっぱり環境も・・生活しにくい、空気もうすい、だけど自分は上にコネがない、だからそのようなところに左遷させられたという気持ちから、短い時間に取れるだけ取って帰ろうってことだったんです。

 ところが今度は、経済的インセンティブを与えてるから・・・。人間って不思議なものですね。もし誰かにですね、「200メートル走れ」って、僕みたいに太った人が言われたらですね、もう死ぬんじゃないかと思って最初から諦めちゃうんです。しかしあそこまで走ったらですね、なんか100万円ぐらい取れるよって言われたら、たぶんですね、誰も喜んで行っちゃってぜんぜん疲れないんです。それと同じです。

 今来てる中国の人たちは、チベットに来て自分は財産を作ることができる、経済の特別な待遇を受けられる、そういうことでどんどん来てるんです。こういうことに対する不満が、今回特に表れているところが・・、今回の北京政府が世界に公開しましたあの映像の中における民衆が、中国人の店をですね、「素手」で壊そうとしているんです。

 あの温家宝がおっしゃるようにですね、ダライ・ラマ法王が計画的・組織的にかかわったという「暴動」であれば、なんで最初から棒とか持ってってぶち壊さないんですか。あそこの人たち、一生懸命に石ころを探してますよ。

 ですから、今21世紀になって、20世紀の後半、あの先の戦争の結果として、たくさんのアジア・アフリカの国々が独立しました。そして最後に今、ヨーロッパの国々、ソ連の下にあった国々が独立しました。ですから、今の世の中は、一方的に支配し、軍事力を背景に作った植民地はもうみんな無くなってきています。今でも植民地を持っているのは「中華人民共和国」だけです。

 逆に、EUのように、すでに独立国家であっても、お互いの利益がそこにあると思ったら「統合」しているのも事実です。ですから、今日ここにモンゴル・・あっ、モンゴルは今日みえてないかぁー。ウイグル、満洲、あるいは中国の方も含めて、あの世界全体の、ま、数でいったら5分の1近くの人たちが住んでいるところに、そして今度インド、・・両方合わせたら世界の人口の半分ぐらいはですね、今、軍事費にお金をたくさん使わなければならない状況にあります。それはなぜか。

 この二つの、ま、大国、大変な人口を抱えている国々は、直接ぶつかるからです。もしそこに、中間に、不干渉地帯があったら、この二つの国々はそのような膨大な軍事予算を使う必要がなくなってくるんです。

 ですから、あのー、ダライ・ラマ法王は、あくまでも平和的な話しをして、そして、多くのチベットの人たちは、正直言って「独立」以外の言葉に対してアレルギーがあります。それなぜかといいますと、今まで中国がやってきたこと(で中国)が信じられないからです。

 にもかかわらず今、法王は、対話を通して平和な方法で、双方が幸せになる道を探したいとおっしゃってます。もちろんチベットの若い人たちの中には、「そのような甘いことをおっしゃっては・・」ってことを「いまだに(そんなことをおっしゃるのか)」ってことも思っている人たちがいます。しかし最終的には・・・。

 もし天皇陛下のあの「玉音」がなかったら、たぶんあの戦争は終わらなかったと思います。勝つか負けるかではなくて、最後まで戦って、場合によっては自爆でもしようという人たちがたくさん出るはずだったんです。

 それと同じように、最終的にチベットの人は、法王の言葉に従うと思いますけれども。しかしその法王の言葉が・・・。本当に平和裏に解決するためには、世界中からの支援が必要です。幸いにして、たとえば3月14日、日本のマスコミに・・・僕は最初からですね、「チベットに対して今回、向こうが挑発した」・・。

 向こうとしてはたぶんですね、オリンピックの前に、問題になりそうな人たち全部・・中国全土ですよ、・・において全部、牢屋にぶち込んでおけば、世界中に対して何もないように見せることができるということで勘違いをしたと思います。ですから向こうが最初から挑発的に仕掛けたんです。だけどその時に、中国政府は最初に、民衆が・・一般の人が・・殺された人たちの人数だけを言いました。でそのときすでにチベットの人たちは30名、40名と(殺されて)いたんです。

 幸いにして最近中国の方も、少しずつ、もう隠すことができないから。で、最後には、「いや発砲はあったようです」「少なくとも14日は発砲しました」と、言葉が少しずつ変わってきているんです。

 で今はITの時代です。もう昔のように隠すことはできません。天安門事件のときと今日とは違うんです。で、おそらくこれから、中で捕まった人たちがどのような拷問がかけられるか、そういうことが、実体が少しずつ世界の世論に分かるようになったら、今すでにチャールズ皇太子、スウェーデンの国王、ポーランド大統領、そして、あの慎重だったフランスのサルコジ(大統領)までがですね、国民の世論調査をやったら53%が「行くべきじゃない」と言ったら、やっぱり民主主義社会ですから、今、(さらに)慎重になってきました。

 で、これから段々と聖火ランナーたちが、この東アジアに寄ってきます。オーストラリアでは、すでに4月24日に、それに対して何らかの行動をする。それからたぶんですね、これからは各国のオリンピック委員会よりも、選手一人一人の良識・・オリンピック委員会が「出るな」とかいうことではなくて、選手一人一人の良識で判断することが多くなってくることと思います。

 タイの聖火ランナーの人はもうすでに、自国のオリンピック委員会に対して「私は放棄します」ということを意思表示してますし、他の国でもたぶんこれから続出してくるのではないかと思います。いずれにしても。・・・あの・・時間を守ることも大事なことですので、私があまりしゃべると、30分ということだったので、皆さんに最後に2~3お願いしたいことは、

 一つは、「暴動」という言葉はなるべくですね、もしチャンスがあったら「あれは暴動ではない」と・・。「暴動」は正しい政府、正当な政府に対する・・だったら「暴動」と言えるけれども、政府そのものが政府らしいことをしなかったら・・・あれはあくまでも「抗議行動」であります。

 それから二つ目は、あのー、「チベット族」とか、「ウイグル族」とか、あるいは「漢族」とかいう言葉はなるべく使わないで頂きたい。私は、もちろん「チベット人」として、「モンゴル人」として、「ウイグル人」として、「中国人」として、お互いの人格を尊重し、そしてお互いのユニークな文化、伝統、輝かしい歴史、どれも持ってるんです。

 日本では、「暴走族」っていうのがいます。「白装束」っていうのもいます。なんで平気でですね、一方においては、今まで歴史的に使ったような言葉も使えないのにですね、片方では平気で、600万(人)、ウイグルは何万人?800?・・まあいずれにしてもですね、あの、何百何千の人たちに対して「暴走族」と同じ扱いだけはやめてと欲しいと。「白装束」と同じ扱いはやめて欲しいと。

 で、こういうことが実際、「洗脳」なんです。孫文以来のですね、「洗脳」が通ってるんです日本に。ですので、まあ私はこれから・・。・・・各自が色々お話されると思います。それで今日は、我がチベット代表部からも、ルントックさんがみえてますけれども・・。彼には多少ですね、立場上制限があるってことも理解して下さい。私のように、あのー、自由にしゃべれる立場と、そうでない立場もありますので、その辺もうひとつ・・。あのー、アメリカの誰だったかな、あったでしょ?言いたいことを言えずに「私の唇を読んでください」というのが。

 そういうことも理解して頂いて、これからの討論をぜひ活発に行って頂きたいと。で、今日僕はあの、当初他の約束があったもんですから、あのー、もちろんここへ来ることは、私の・・この過去40年間のある意味では、あの・・結晶のようなもんですから・・。

 今、国内にいるたくさんの人たちが死んでいる。あるいは餓死している。そういうのを見てると、やっぱりあの・・これからももっとあると思うし・・私にとってはこれは何よりも優先しなければならないことですけれども、同時にまた、中の人たちがデモをやってることに対して説明することも、ある意味では中の協力になると思ってますので、あの、先に、途中で失礼することをお許しいただきたいと思います。

 今日は皆さん、本当に有難うございました。

 



 ※ いつもは穏やかなペマさんが・・。皆さんもきっとご存知かと思います。そのペマさんの表情、特に眼光が。最後の方でご自身も口にしておられましたが、「過去40年間の結晶」だと。まだ子どもの頃に日本に亡命されて40年間、この日のために研鑽の日々を過ごされていたのだろうと。すさまじい気迫の30分でした。

 第一報からずっと、筆者も情報だけは追っておりました。ただ、情報を追うばかりで何もできぬ自分が歯がゆく、今日やっとほんの小さなことですがブログ更新させて頂きました。これまでの中共のやり口、情報を遮断することで抹殺してきた事実を検証してみると、本当に恐ろしい弾圧の本番はこれからだと。いや、たった今も進行中なのではないかと。そう思うあまりに、少しの時間をつなぎながら更新にこぎつけました。

 講演は寄稿文とは違ってその場のライブですので、以心伝心といいますか、目でものを言う場面もあり、多少の言葉の乱れもあります。上記テキストは、読んでご理解頂けるよう多少編集させて頂いた箇所もございます。ただしその意味合いを極力いじらぬようには致しました。

 法王やペマさんは現実主義なんですね。当事者も当事者ですからそれは当然なことでしょうが、ずいぶん筆者などは中国に対して傍観者的であったのだなぁと反省させられました。そして、日本とチベットの類似するところの多さも知ることができました。法王は民族の消滅を恐れているのですね。昭和天皇も同じだったと思います。

 その点でみても、日本が先頭に立って解決のために汗をかくべきであると思いますが、日本政府は動く気配すらありません。しかし、今の時代は世論です、おかしな日本のマスコミなんぞこちらから村八分にしてやればいい。ちまたをチベット問題であふれ返してやればいい。そうだ世界世論で圧力をかけ、すでに中国にはダライ・ラマ法王との対話以外に道がないことを思い知らせよう。みんな知ってるぞと!




ペマ・ギャルポ 公式サイト

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【2008/04/01 07:05】 | 【Free Tibet】 | トラックバック(0) | コメント(4)
<<チベット弾圧がすでに本格化 | ホーム | 猛毒が充満する空の下で>>
コメント
よく更新して下さいました。ありがとうございます。
ペマさんのお話チャンネル桜で少し見ましたがこのように文章にしていただけるとよりよく分かります。前に渡部先生と対談なさっているときにうかがいましたがペマさんの年代の方で家族が揃っているところはほとんどないとのこと。なんということでしょう。
中華人民共和国は今現在虐殺をする国。
抑圧支配している全ての地域から手を引くまで
オリンピックを開く資格などないことを思い知らせないといけません。
チベットをその他の地域を見捨て、中共の非道に目をつむることは明日の日本がそれらの地域になるということです。明日は我が身。今中共に抗議しないでなんとしますか。政府、企業、マスコミ、有識者、有名人、スポーツ選手、誰がどのように行動するか私はきちんと見ていたいと思います。
>今の時代は世論です。~みんな知ってるぞと! 
おっしゃるとおり日本国民の力を見せてやりたいです。
【2008/04/03 01:46】 URL | さくらこ #-[ 編集]
さくらこ様

>誰がどのように行動するか・・・
特に政治家には失望しております。テレビは・・・分かっていてもさらに失望です。弾圧がすでに本格化しているという情報がありました。黙殺は中共と同罪です。
【2008/04/04 06:39】 URL | 娑婆妥場(管理人) #3.a9MHK6[ 編集]
ご無沙汰しています。臨場感溢れる書き起こし有難うございます。
ぺマ・ギャルポさんたちの亡命には、チベットの学者が「諸外国に比べて日本はチベット人難民の救済を何もしてくれない」と語り、日本の民間人(病院)が動いたという経緯があったそうですね。昔から日本政府は何もせず民間が動く・・・私たち国民は政府を甘やかしているんじゃないかと思えてきました。
【2008/04/04 21:00】 URL | milesta #S4B2tY/g[ 編集]
milesta様

こちらこそ、ご無沙汰して申し訳ありません。ペマさんの亡命が民間人の尽力によるものであったこと、知りませんでした・・。狭い国土の日本に亡命者を受け入れるに限界があることは分かりますが、「何もしてくれない」との印象を持たれるようでは恥ずかしいことです。甘やかし過ぎた我々も同罪ですね。
【2008/04/05 23:12】 URL | 娑婆妥場(管理人) #3.a9MHK6[ 編集]
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日本の近現代史の中から、主に感動エピソードを拾い集めてみたい。ゆっくりゆっくりですが。個人的には備忘録(メモ)のつもりです。

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この道を、どんな日本人が歩いていたんだろうと、ついつい想いを巡らせてしまう今日この頃です。
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